白衣を着る仕事にはどんなものがあるの?資格は必要?なくてもいい?

白衣を着ている人は知的でスタイリッシュに見えます。白衣へのあこがれを抱きつつも、白衣を着る仕事をするためには特別な資格が必要なのではないかと思ってあきらめている人がいるかもしれませんね。しかし、特別な資格を所持していない人でも、白衣を着て働ける仕事があります。

「白衣を着たい!」と思っている人のために、白衣を着て働く仕事にはどのようなものがあるか紹介します。

白衣の下に着たりユニフォームにしたりと医療や介護の現場で活躍するポロシャツ

白衣といえば医療の現場で活躍する医師!

「医師」(「歯科医師」「獣医師」も含む)は、白衣を着る仕事の代表格といっていいでしょう。医師は、病気に苦しむ人(獣医師の場合は動物)を診断し、薬を処方したり手術をしたりして治療を進めていきます。

一般的には、医師の社会的な地位と収入は高いので、医師の着る白衣へ憧れを持つ人は多いでしょう。医師になるには、大学の医学部で学んだあと国家試験を受験して合格する必要があります。

看護師・歯科衛生士・臨床検査技師など病院には白衣の人がいっぱい!

「白衣の天使」という言葉があるくらいですから、「白衣」から看護師を連想する人も多いかもしれませんね。看護師は、テキパキと医師の手助けをしながら、患者さんの心に寄り添う温かな存在。病院によっては、白ではなくピンクや水色などのユニフォームを使っているケースもあります。

医師と看護師以外にも、病院ではたくさんの人が白衣を着て働いています。例えば、リハビリのお手伝いをする「理学療法士」、医師の指示のもとで検査を行う「臨床検査技師」、レントゲン撮影を担当する「診療放射線技師」などです。

歯科医院では「歯科衛生士」が歯のクリーニングや歯磨き指導などを行ってくれます。これらの仕事をするには、専門学校や短大、大学などの養成課程を修了して、国家試験に合格する必要があります。資格がなくても、病院の受付をする人が白衣を着ていることもあります。

白衣ではなく普通の事務服を着ている病院も多いので、これは病院や医院の方針によります。

患者の健康を薬剤で支える!薬剤師

医師が書いた処方箋をもとに薬を調剤する仕事が薬剤師です。薬剤による事故や薬の飲み過ぎを防ぐために医薬分業が進められているので、薬剤師の役割はより重要になっています。患者さんに薬の飲み方を指導する役割も持っていますから、薬品の知識はもちろん、患者さんに優しく話しかけられるコミュニケーション能力があるといいでしょう。

薬剤師の働く場所としては、薬局以外にもドラッグストアがあります。薬剤師になるには、大学の薬学部で学んだのち国家試験に合格しなくてはなりません。

目指しやすい資格!登録販売者

薬品を調合するのは薬剤師の資格がないとできません。しかし、調合はできなくても、すでにできている一般の医薬品を販売できる資格があります。それが、「登録販売者」。ドラッグストアやコンビニなど、医薬品を販売する店舗では、薬剤師か登録販売者がいなくてはいけないと法律で決まっています。

ドラッグストアでは、一般の販売スタッフと区別するために、薬剤師と登録販売者は白衣を着て働いているケースが多いのです。登録販売者になるには、年一回実施される試験を受けて合格すればいいのです。実務経験や専門の学校を卒業する必要はないので、目指しやすいと言えるでしょう。

この資格を得るとドラッグストアで採用されやすくなる上、時給も高い場合が多いのでなにかと有利です。

アカデミックな仕事!研究者

大学や企業で研究をする「研究者」も白衣を着て行う仕事です。特に、生物学や薬品学などの分野が白衣が必要な学問です。細菌を培養して顕微鏡をのぞき込むような仕事をイメージするといいでしょう。同じ研究者でも機械工学などの場合は油にまみれることがあるので、グレーやブルーの作業着がユニフォームになっています。

研究者になるには、大学で専攻した学問に魅力を感じて大学院に進学後、研究を続けて教授の助手になったり、企業に就職したりします。研究者というと頭脳明晰で、それなりの学歴も必要と思っている人が多いでしょう。しかし、まれに、外部から雑務を担当する人を採用することもあります。

特別な専門知識がなくてもできる、器具の洗浄などの仕事を受け持つ人が採用されます。アカデミックな雰囲気の中で白衣を着て働きたい人にはぴったりの仕事です。

美味しい料理を提供する!調理師

「調理師」も白衣を着てする仕事です。この白衣は「調理コート」や「コックコート」とも言われます。板前さんやコックさんが白衣を着て包丁を握ったり、フライパンを振ったりしている様子を思い浮かべてみましょう。お客に提供する食事を調理しますから衛生的な服装が求められるのは当然ですが、同時に、白衣で独得の品格や風格を表現しています。

洋食のシェフは、高いコック帽と首に巻いたカラースカーフなどで地位がわかります。同じ調理場にいるコックさんならば、帽子が高い人のほうが立場が上であることが一般的です。つまり、シェフとしての腕前を服装が示すのです。

調理師になるには、専門学校などで決められた過程を履修すればいいのです。しかし、調理師の養成学校を卒業していない人でも、飲食店や施設などで2年以上、調理の実務経験を積んで調理師試験に合格すれば調理師になることができます。

もちろん、資格がなくても飲食店で白衣を着て働くことは可能です。

白衣を着る工場もある!

働く人が白衣を着て作業を行う工場もあります。代表的なのは食品工場です。もしも製造する食品に髪の毛や虫などが混入したら大変なことになりますから、働く人たちは上衣もズボンも白い色を着て、体に付着した汚れが目立ちやすいようにしています。

頭もすっぽりとネット付きの帽子で覆います。手洗いを丁寧にしてマスクを付け、作業場に入ります。多くの場合、働いている人同士であまりおしゃべりはできません。静かで清潔な環境が好きな人には向いている仕事です。

その他、半導体や時計、医療機器などの精密機械を製造する工場でも白衣を着て作業します。ここの白衣(グレーやブルーのこともあります)の特徴は、衣類からホコリが発生せず、チリを寄せ付けないように静電気を抑える特別な繊維を使って作られていることです。

なぜなら、デリケートな製品に細かなホコリやゴミが付着すると故障の原因になるからです。作業場全体の空気もきれいに保たれており、作業場に入るときには全身に風を当てて体についた異物を吹き飛ばすエアシャワーを浴びなくてはいけないこともあります。

白衣で教える学習塾の講師も!

白衣を着ている人には知的な雰囲気が漂いますから、学習塾の中には講師に白衣を着るように指導するところもあります。

現実問題として塾で白衣を着る必要はないのですが、白衣を着ていると生徒や親から信頼されやすいのです。特に、理系の大学生がアルバイトをするときは、スーツよりも白衣のほうが着慣れているので、塾から指導されなくても自前の白衣で教壇に立つ人もいます。

あまり教えるのが上手でない人でも、白衣を着ていればなんだかサマになります。白衣の魅力はこんなところにも表われているのですね。塾講師には特別な資格は不要ですが、塾で教えられる程度の学力は必要です。